宇宙創造のビジョン。
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体験の内容:
数年前に体験した明晰夢について、お話します。
夢の中で、私が人ごみの中を歩いていると、遠くに洞窟が見えました。何故だかその洞窟に興味がわき、中を探検することにしたのです。
中へ入ると、洞窟の真ん中あたりには原始人のような少数のグループが火を囲んで座っていました。声のトーンなどから、何か重要な話をしているのが分かりました。近づくと、グループの一人が立ち上がり、私の側へやって来たのです。彼はしばらく立ちすくんだ後、微笑むと、私の手を取り洞窟の外へと連れ出してから、洞窟入り口近くにあるメリーゴーランドへと私を連れて行きました。
メリーゴーランドには手塗りの木製の人形が置いてあり、それらは妖精や小人のように見えました。我々が近づくと、メリーゴーランドは陽気な音楽を奏でながら回りだしました。原始人の男はメリーゴーランドを指差すと、どうやら私に乗るように勧めているようでした。とても面白そうだったので、私が飛び乗るとすぐさまスピードが増し、すべてがぼやけていきました。
一瞬で、色々な時代(過去と未来)のたくさんの人生を自分のこととして体験しました。
突然、ある空間のなかで動きが止まると、そこに存在するのは私だけでした。すべては真っ暗でしたが、どういうわけか明るい光が私を取り囲んでいました。実際、私自身が光なのでした。存在するものすべてが、私なのです。自分以外には何もありません。私のなかを純粋なる喜び、無償の愛が駆け抜け、その時の感情を言葉にすることは到底できはしません。例えるならば、性的なオーガズムを無限に倍増したようなものでしょうか。時間さえも存在せず、私がそこにあり、存在するだけでした。私はそれまでもそこに永遠におり、そしてこれからも永遠にいることでしょう。その素敵な考えが頭をよぎった瞬間、私が“動く”ことで“エネルギーを生み出したい”という衝動が沸き起こりました。
自分が動きさえすれば、エネルギーが流れ出し、そして創造が始まることが私には分かっていたので、私は動きだしました。すると私の中と廻りで銀河が形成されるのを目にしました。宇宙が形作られ、星が生まれる様に、私の心は高ぶりました。私の心が高ぶるほど、よりたくさんの銀河が生まれました。
次に、新しく形成された宇宙を探検したら、どんなに刺激的だろうかと、考えました。この考えが浮かぶと、“私”という存在が生まれたのでした。
次の詩はこの経験をもとに書いたものです。
”すべての真実の探求者に捧ぐ”
縦横も幅も次元さえも存在しない永遠なる深淵のなかで、
恍惚に包まれ、私は聖なる光のきらめきとして存在した。
自らの存在に気付きはしたが、どうしてそこにいるかを尋ねることはなく、
はっきりと、我のみ存在することを知る。
その時感じた孤独は耐えがたく、
自分以外に愛おしいと思える何かがあるのか、ふと思う。
永遠に続く今という瞬間のなかで長い時間が過ぎ去り、至福を感じながらも、
心の奥底で、創造の欲望が頭をもたげた。
行動を起こせば、エネルギーが作られ、そして広がることを知り、
永遠の中で、愛と忍耐により命を授かった計画が今ゆっくりと始動した。
最終的に、行動を起こす決断が下され、
無限の愛である輝かしい白い光が回転を始めた。
すると、空間の間の至る所で、無限の次元が現れ、
私は驚きとともにその光景を見つめながらも、創造を止めることはできなかった。
絶えることのない愛情とエネルギーが注がれると、世界が広がり、
銀河が陸と空とを新たに作り出した。
感動とともにその創造物を見つめると、
真実と光が宿ったたくさんの世界がそこにあった。
この考えが浮かぶやいなや、無限の世界に向けてすばやく広がり、
私の存在の一部はばらばらとなり、この世にあるすべての物質となった。
自分の創り上げたものに満足して眺めても、
何かが欠け、私という存在を完成させるには他の何かが必要と知った。
愛すべき誰かが、
私の考え、そしてすべてを分かち合える誰かが必要なのだと。
日々を心行くまで精一杯に過ごすには、
心を愛情で満たさなければならないのだと。
ついに、すべてが形作られ、
見渡せど、これ以上必要なことは何もなかった。
人類が進化を遂げ、物質主義へと傾倒しだすと、
神聖なる閃光がこの現実のなかで、優しく私に語り掛けた。
人類の科学における発展は素晴らしくもあり、致命的でもある
しかし、内なる英知の声に、人類は耳を傾けない道を選んだ。
時間と空間の狭間で、戦争や悲しみの原因となる考えに絶えず思いを馳せてきた
人類こそが、その宇宙を創造した者の一人であり、彼が最も神聖なるこの信念を受け入れることさえできたなら。
絶望のどん底で、人は嵐の夜の暗闇のなかで、苦痛を味わい、
どんなに抗おうとも、彼にできることは何もなし。
天に向かって、彼は怒りと悲しみで叫んだ
天にいる誰でもいいから、助けて欲しいと。
すぐに、絶望の部屋のなかに、まぶしいばかりの閃光が現れ、
その祈りは叶えられた。
その声は優しく響き、
英知が人類に与えられ、そこから新たな人生が始まった。
至福を感じながら、部屋に誰かいるか見渡したとき、
はっきりと、”汝自身を知れ“の言葉を彼は理解した。
真実の探求者には、いつでも神が現れ、
どんな困難の中でも、助けと安らぎを与えてくれると。
心の中の神聖なる声にそっと耳を傾ければ、
希望どおりの毎日を送れるのだと。
天に空を求めずとも、
自分のなかを覗き込めば、そこに空があることを。